前回のブログで581系、583系の違いについて書くと宣言したので、取り上げてみたいと思います。
本題に入る前にいつもの一言。私はノスタルジック&レトロな鉄道関連の話題に興味はありますが、詳しくはございません。というわけで、いろいろとお勉強しながら雑感を書き連ねてまいりますので、もし事実と異なる部分がございましたら、コメント欄から優しくご指摘ください。(厳しいご指摘はご勘弁ください)
と言い訳を残しつつ、今回も書き連ねてまいります。
581系も583系も昼間は普通の座席で昼行特急、夜間はベットを配置して寝台特急にして運行させる言わば眠らない(眠らせない)電車です。違いは581系は60hzの電気で動く車両で、583系は50hz/60hz両方の電気で動かせる車両です。50hz/60hzの違いはなんぞやと言いますと、現在は新潟県の糸魚川と、静岡県の富士川を結ぶ線を境にして発電所から送電される電気の周波数が50hzと60hzで分かれており50hzの地域のみ運行できるものが581系、50hz/60hz両方の地域で運行できるものが583系というわけです。
「なんでそんな面倒なことになってるんだ!」とお怒りになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、ことの発端は日本でも電気が使われるようになり始めた明治の時代に遡ります。
外国から発電機が輸入され、東京にはドイツ製、大阪にはアメリカ製の発電機がやってきました。生産国の違う発電機をそれぞれが導入したことで地域によって異なる周波数の電気が作り出されることになったのです。周波数が違うと使用できない電化製品もあり、故障や火災を引き起こしてしまうものあります。当然、周波数をどちらかに統一しようという話し合いが何度もなされたようですが、話がまとまることはなく、2022年現在も新潟県の糸魚川と静岡県の富士川を結ぶ線を境にして発電所から送電される電気の周波数が50hz(東側)と60hz(西側)で分かれているというわけです。
そんなわけで、当初西側での運用を考えて60hz使用の581系を開発し、その後、地域を選ばす運用できる50/60hz対応の583系を開発したようです。
581系と583系の見た目の違いはないのかというと、581系には制御車の運転台の後方にルーバー(羽板状の通気口)がついた機器室が設けられています。機器室の中にはMGとCPが収められています。
MGとはMotor Generatorの略で電動発電機を意味します。なぜ発電機が必要かというと、架線から供給された高圧の直流電気( 1500V)を車内の照明、空調設備、制御機器などを動かすための低圧電気(100V)に変圧する必要があるからです。低電圧に変圧するだけなら発電機ではなく変圧機だろと思われますが、直流 を変圧するのは大変難しく機材も大型化し、エネルギーロスが大きいという理由で直流の変圧は普及しておりません。では、どうやって変圧するのか?
直流電気(1500V) →モーター(電動機)を駆動→モーター(電動機)の同軸に連結したジェネレーター(発電機)を回し交流電気(440V)を生み出す→生み出された440Vの交流電気を補助変圧機(AT)にて100Vに変圧→車内の照明、空調設備、制御機器の電力として供給
このような流れで低圧の電気を生み出しているのです。
なんかこの仕組み、最近のハイブリッド車を見ているかのようです。(車自体はモーターで動かすけど、モーターを動かす電気はガソリンエンジンで発電機を回して発電して電力供給を行っているみたいな)
ここで出てきたモーター(電動機)とジェネレーター(発電機)が一体型になったものが電動発電機、すなわちMG(Morter Generator)なのであります。
機器室に収められたもう一つの機器であるCPはコンプレッサー(ComPressor)を意味します。日本語で言うならば電動空気圧縮機です。ここで圧縮された空気は、空気ブレーキや扉の開け閉めに使われます。
説明が長くなりましたが、581系の制御車の運転台の後方にはルーバーが取り付けられた機器室がありその中にはMGとCPが収められていたのです。
それが、583系になると機器室がなくなるわけです。ではMGとCPはいずこへ?
MGは床下へ、CPは運転室助助士席下へと移設され、機器室だった部分は客室へとなったのだとか。
というわけで、581系の制御車にはルーバー付きの機器室があり、583系の制御車には機器室がなくなり客室になっているということが見た目の違いになります。
では、581系の583系の側面をイラストにしてみたので、どうぞご覧ください。(追記R4.11.8)
確かに581系にはルーバー状の通気口が付いていますね。なるほど。では次に、クハネ583のイラストをお見せしたいところなのですが、まだ用意できていないので、後日公開致します。 ます。
今回はここまで〆
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